私たちは日常生活の中で、人を説得したいことがたくさんあります。
昨日見た映画にどれだけ感動したか、
週末に買ってきた服がどれだけかわいいか、
自分の使っている化粧品がどんなに効果的か、
そういった、相手に共感を求めることから、
どうしても欲しいバッグがあって買いたいんだと旦那さまを説得するとき、
もうちょっとおこずかいをあげてくれと奥さまにお願いするとき、
一緒に旅行やコンサートに行こうと誘うとき、
こういったお願いも、広い意味ではすべて説得です。
私たちは、なにがどれだけ良いのかということを相手に伝えるとき、「すごくよかった」「とてもかわいかった」「役に立った」「絶対必要」「一番大きい」「一番すごい」というように、形容詞で説明します。
例えば、バリ島旅行に行きたいと友達を誘う場面です。
「バリ島に旅行に行きたい。バリ島は安全で、人気もあり、物価も安い国だし、楽しいと思うから一緒に行こうよ」
これはすべて形容詞で説明しています。
この形容詞を物語にすると、
「バリ島は、夜の海岸沿いを女性二人で歩いても大丈夫な場所なんだって。人がたくさん集まってくるから、にぎやかでお祭りのワクワク感があるし、物価は日本の5分の1だから、日本のエステ1回受ける料金で、滞在中5回はエステ受けられるかも。会社からの電話の束縛も離れて日常を忘れられるし、海に、食べ物、エステにおみやげに、ひょっとしたら素敵な出会いもあるかもしれないよ。バリ島行こうよ」
というように誘ったほうが、相手が興味を持ってくれる可能性が高くなります。
こう言う説明は子供の説明と似ています。
大人になると、端的な言葉で表現する癖がついてしまいますが、想像力豊かな子供は、物語で相手に伝えます。
物語で相手に伝えると、言葉の数は多くなりますが、こちらの気持ちが相手に伝わりやすくなります。
たくさんの数値やデータで、それがどれほど優れているかを示すよりも、物語で伝える、それが説得のコツです。
アジサイが咲き始めましたね